今回は、いつもやってるエッチングの方法を紹介します。
必要なもの
アイロン 温度とかよくわかりません・・・
用紙 フジフィルムさんのぶどう柄のマット仕上げです。
*2019/04/05 追記ぶどう柄が無くなってるみたいです。
スプレー 水をシュッシュします。
レーザープリンター トナーじゃないとだめです。
生基板 材質は問いません。
スチールウール 基板磨きに使います。
エッチング液
・オキシドール
・クエン酸
・塩
チャック袋
タッパー
用紙
1.設計したパターン図を印刷します。
今回使用したCADはPCBEです。
版下印刷時、反転してください。
(必ずしも反転する必要はありません。)
使用したプリンターは、Canon LBP5600です。
レーザープリンターが無い人はコンビニでコピーしましょう。
2.基板の下処理をします。
両面基板0.8mm厚 18μm/18μm
すいません、放置しすぎてだいぶ表面が酸化しています。
そこで!
スチールウールを使って磨いていきます。
磨いた後は、中性洗剤でよく洗ってください。
磨くとこんな感じになります。
3.アイロン転写!
基板の上に印刷したパターンを載せます
印刷した紙と、基板がずれないように多少押さえながら
軽く押し付けるようにアイロン掛けをします。
強く押しすぎるとパターンの線がにじんでしまいます。
トナーが溶け出し基板に張り付くくらいが丁度良いと思います。
布をかけて水をシュッシュとスプレーしていきます。
このとき水は結構多めにスプレーします。
スプレーしたらまたアイロン掛けをしていきます。
今度は、さっきよりも強く押し付けます。
最後は、普通のアイロン掛け(滑らせるように)します。
アイロン転写完了!
多少のパターン切れなどはあとから修正できるので諦める。
大きく失敗した場合は、トナーを落とせばまた再利用できるので
再挑戦する。
またまた水をスプレーし
紙をはがしていきます。
良く濡らしながら指で軽くこすっていくと
きれいにはがれます。
4.不要部分の切断
本当は、基板カッターがあれば楽でいいのですが、
持っていないのでルーターでカットしています。
切断用のビットはダイヤモンドビットを使用してください。結構楽に切れます。
ルーターを使用しているので真直ぐに切れません。こればっかりは諦めです。
パターンを削らないように注意してください。たまにやっちゃうんですけど・・
また、1からやり直しになっちゃいますので・・・
切断が終わったら水で粉をきれいに落としてください。
5.パターンの確認
ここで切れてしまったパターンを修正していきます。
レジストペンがあればいいのかも知れませんが・・・
ここでは、マジックインキを使用しています。
(マッキーも使ってみたのですが、エッチングの途中で落ちやすいです。)
切れてしまった線をつないだり、ベタに出来た細かい穴を修正します。
6.基板裏側のマスク処理
今回は両面基板なので反対側はエッチングしません。
なので裏側をマスク処理・・・
マジックインキで裏面前部を塗って行き・・・ません。
そこで登場!
サンハヤト ソルダーレジスト補修材!
正直、前に間違えて買ったやつ・・・
(ハンダごての温度に耐えれると思ってたのに・・・)
これって同じかな?
これを裏側に塗り塗りしていきます。
適当に塗っても平気みたいです。
7.エッチング液を作る
エッチング液は塩化第二鉄液ではなく
オキシドールで行います。(色がいいですよね)
まずは、クエン酸[4]に対し塩[1]を入れます。
正確に何グラムとか必要なさそうです。
いつも目分でやっちゃいます。
ちなみにクエン酸は、ネットで購入するのがおすすめです。
(1kgで600円前後で購入出来て、食品添加グレードならジュースも作れちゃうので便利!)
そこにオキシドールを加えよく混ぜていきます。
オキシドールの入れ過ぎに注意してください。
意外と粉がよく溶けます。
溶けたらエッチング液をこぼさないようにチャック袋に入れます。
チャック袋が意外とミソ?
8.エッチング開始
チャック袋に基板を入れて空気を抜きながら袋を閉めます。
後は、チャック袋の様子を伺いながら振っていきます。
途中袋がパンパンになってくるのでこまめに空気を抜いてください。
においは、嗅がないほうがいい気がする・・・
正直そういう知識は、高校止まりなもので・・・(泣)
なにが出てるのか詳しくはわかりません・・・(教えてください)
エッチングが進むと液が緑色に変化していきます。
エッチング液を作るときオキシドールが多いともっと青味がかった色になります
エメラルドグリーン?
そのときのほうが失敗が多いかな・・・?
そして、このエッチングのいいところはエッチングの進捗が確認できること!
そのままチャック袋の上から進行状況が見えるんです。
だから・・・
半分終わったらひっくり返すとか出来るんですよ。
便利便利!
エッチング終了です!
一度水洗いします。
ところどころパターンが切れちゃってますが、半田でごまかせる範囲です。
ごまかせない時は・・・・
1からやり直し・・・
9.廃液処理
エッチングが終わったら緑色の廃液に
アルミ箔をちぎって入れます。
!注意!
予想以上に発熱する場合があるので少しずつアルミを入れましょう!!
溶け出した銅が出てくるはずです。
溶液も緑から透明に戻ります。もしくは灰色?
大体1日放置しておけば問題なしです。
その後中和するため重曹を入れ、コーヒーフィルターで濾して処分します。
10.トナーの除去
エッチングの終わった基板のトナーを落としていきます。
トナーの除去にはサンハヤトレジスト希釈液でも良いみたいですが、
会社で使用しているバスターマイルドって言うのを使用しています。
トナーを落とし、またまたスチールウールで磨いて完成です。
11.裏側
反対側の転写の前に穴あけを行います。
穴位置を頼りにまた手順1から作業し完成です!!
最後に基板用フラックスを塗ってすべて完成です!!
お疲れ様でした。
意外とすべての作業をすると時間がかかるので
時間にゆとりがあるときにやりましょう。
もしくは、段階的にやっていくのもアリだと思います。
12.最後に
正直エッチングはまだまだ始めたばかりです(汗)
初心者にはちょっと敷居が高く感じるんですよね
ただ、小型化したいと思うとどうしてもプリント基板が必要になってくるので
今までは、ちょっと知り合いに頼んでマシニングで・・・
それも、ちょっと申し訳ないので
で、いろいろ調べていたらオキシドールでエッチングが出来ると知り
アイロンでパターンの転写も出来るとか
それでやってみたら思ったより大変じゃなかったので
今回紹介してみました。
なによりも、工作の幅が広がった気がします。
後、あのわずらわしい配線から開放されたのもイイですね!
いつも、配線がゴチャゴチャで不具合処理のめんどくささから開放された
これだけでもやる価値はあると思います。
あくまで自己責任でお願いします!!
この方法を利用したいかなる損害に対して
責任を負いません!
今回の作業の紹介動画です。
コメント
リューター(Leutor)とは、日本精密機械工作株式会社が製造する電動切削工具のブランド名であるので、一般名のルータ(ルーター)というべきである。
もっこり88様
指摘箇所を修正対応致しました。
うーん、そういうエッチング方法がありましたか。塩化第二鉄、塩化銅、と来て、今は塩化第二鉄にクエン酸を足した、銅版画によく使われるエジンバラエッチング溶液に落ち着いています。
塩化銅は、塩酸に過酸化水素なのでとても簡単なのですが、アワアワが微妙にレジストを剥がしてしまう気がして、最近は使いません。銅が溶けているので、殺菌剤になるような代物が出来上がります。海外では塩化銅はプールの殺菌に使うんだそうですが、日本ではね。
塩化第二鉄の二倍程度のエッチング速度と、細かいパターンが作りやすいこと。で、今のエッチング処方に落ち着きました。園芸材料の消石灰で中和して燃えないゴミにできるのは助かるのですが、液の寿命はそんなに長くはありません。あるところで突然溶解しなくなります。ですので、ジップロックで毎回使い捨て出来る程度のエッチング液を使っています。
いい方法なかなかないものです。
参考にさせていただきます。